自分たちで動画制作!インハウス(内製化)テクニック① シナリオ編 其の一

最近、私が関わっている中小企業や個人事業主、行政などの団体から、「自分たちで動画制作をしたいので教えて欲しい」という相談を受けるようになりました。

動画は効果的に魅力や情報を伝える表現・情報発信手段ですが、外部の制作会社に依頼すると費用がかさみます。そこで、自社で動画を制作することでコストを抑えたいという思いから、このようなお声がけをいただくようになっています。

具体的にいただいた声には、次のようなお悩みがありました。

  • スマホアプリで撮影や編集はできるが、内容をうまく考えられず、売上に繋がる動画が作れない。
  • 撮影方法が分からない。
  • 編集方法が分からない。
  • ターゲットに効果的に訴求する動画のストーリー作りができない。
  • 業務に追われて、効率的に動画制作と発信ができない。

動画制作は今や、安価な民生機やスマホを使って撮影から編集まで行える時代となりました。もちろん、専門的な映像表現や特殊CG、ドローン撮影、効果的な企画や構成については専門の制作会社に依頼するのが最適ですが、そこまでの質を求めずに、自社で取り組み、売上に結びつけたいと考えている方々が多いのも事実です。

この「動画制作インハウス(内製化)シリーズ」の記事では、これまでの動画制作経験を基に、自分たちで動画制作し、情報発信を行いたい方々に向けてノウハウをお伝えします。テレビ番組制作17年の経験から得た私の考え方やテクニックから、動画制作初心者の方にも取り入れやすいポイントをご紹介していきます。

第1回 シナリオ編①

シナリオ作成にはさまざまなテクニックがありますが、まずはシンプルに以下の3つのポイントを抑えると良いでしょう。

  1. インパクトのある冒頭
  2. 1を裏付ける背景・根拠
  3. 顧客の未来のイメージ化

これらのポイントを押さえることで、動画の内容は格段に向上します。では、それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。

1. インパクトのある冒頭

このポイントの目的は、視聴者の興味や関心を引くことです。特別な演出をしなくても、工夫次第でインパクトを与えることが可能です。たとえば、あるコップを紹介するプロモーション動画を作るとしましょう。横からただ撮影した映像は普通の印象ですが、上から撮影した映像やカップに飲み物を注ぐ瞬間から始めると、視聴者の興味を引くことができます。このように、視聴者が普遍的に持っている対象物のイメージとの「ズレ」が興味や関心を引くポイントとなります。

「横から見たカップ」が一般的なイメージなら、「上から見たカップ」や「飲み物が注がれるカップ」は少し珍しい印象を与えるでしょう。ただし、その珍しさがカップであることを曖昧にしてはいけません。冒頭でコーヒーの水面だけを映していると、視聴者は何を見ているのかわからなくなり、興味を失ってしまうかもしれません。

この「ズレ」を別の角度から抑えた事例もあります。以前、私が制作させていただいた佐賀県佐賀市の「ゲストハウスはがくれ」という宿泊施設のPVでは、ゲストハウスの紹介であるにも関わらず、冒頭をあえて夜明けを迎える佐賀市の映像にしました。

このゲストハウスは主に海外から訪れる方が宿泊される施設であることから、この施設が佐賀市にあること、そして「夜明け」という世界共通の美しい瞬間の印象を深め、風景の映像的な魅力から「ゲストハウスはがくれ」の世界に誘おうと考えたからです。

ゲストハウスはがくれPV 5:42

このように、インパクトのある冒頭とは「視聴者の興味や関心を引けるかどうか」がポイントです。そして、その為の映像は撮影角度を変えたり、飲み物を用意して注ぐ瞬間を捉えるなど、すぐに取り組める方法で実現可能です。

さらに、映像シナリオにおいては、映像だけでなく、文字やナレーションでもインパクトを出すことができます。たとえば、配達業なら「注文日より最短、翌日に配達」といった特徴を文字で表現することもできるのです。

 自社で㏚したい商品やサービスの「どんな特徴(特徴の見た目や情報)」がターゲットとする視聴者の興味や関心を引くのかを今一度、考えてシナリオ冒頭を考えてみてはいかがでしょうか。

2. 1を裏付ける背景・根拠

視聴者の興味を引いた後は、しっかりとした背景や根拠でその情報を裏付けることが重要です。情報は信頼性があり、説得力のあるものである必要があります。

映像では、商品の特長を際立たせるために、撮影テクニックを活用しましょう。例えば、カップの淵の幅をアップで見せたり、色の濃い液体を注ぐ様子を側面から撮影し、カップの色の変化を見せたりします。

この「背景、根拠」の表現は映像による手段に限りません。

例えば、カップであれば「五つ星レストランで採用された、研ぎ澄まされたデザイン」といった具体的な情報があれば、それを文字テロップをカップの映像の上に表示するだけでも視聴者の興味、関心の持ち方は変わります。配達業であれば「創業20年の実績」といった文字情報を実際に配達を行っている様子の映像の上に表示するだけでも大きく変わってきます。

このように、自社商品やサービスの強みを視覚的な根拠で表現することが映像の質を上げ、視聴者にとっての説得力の印象を増す効果を生むのです。

3. 顧客の未来のイメージ化

このポイントが最も重要です。商品やサービスを購入した顧客の購入後のイメージを具体的に表現します。たとえば、カップであればそのカップを使って笑顔で飲み物を楽しむ人の様子や、配達業であれば商品が届いて喜ぶお客さんの姿を想定します。そうすることで顧客は、その商品やサービスを購入した後の自分たちの暮らしをイメージしやすくなります。

しかし、実際に人を映すには出演者や場所の調整が必要で、撮影が難しい場合もあるかと思います。

そんな時は、この3を抑える情報をナレーションや文字で押さえる手もあります。たとえば、カップを並べた映像を撮影し、「色鮮やかな10種類のカップ オフィスに、ダイニングに、プレゼントにも」といった顧客の商品やサービスを購入した未来をイメージさせる言葉を、映像の上に文字で表示するのです。

まとめ

これまでのポイントを抑えれば、撮影は難しくありません。映像制作に不安を感じる方でも、1カットの映像だけで、文字テロップ情報を用いて1~3のポイントを表現できます。

例えば、カップにコーヒーが注がれる様子を三脚で撮影し、その映像に文字情報で「あなただけの特別なカップ」といったメッセージを加えるだけで、視聴者にアピールできます。

このように、動画制作はちょっとしたポイントを押さえ、できることから取り組むだけで、その質を上げることができます。それは顧客への商品やサービスの訴求に直結することです。

弊社では、このような動画制作のサポートなども行っております。ご要望の際は気軽にお声がけください。

このシリーズでは、今後も動画制作の具体的なテクニックやアイデアを提供していきますので、ぜひお楽しみにしてください。自社での動画制作に挑戦し、効果的な情報発信を行うことで、より多くの顧客にリーチし、売上向上につなげていきましょう。