映像と情報リテラシー

自社で映像などの情報コンテンツを作成し、発信する際に役立つ情報をお届けします。映像には真実性が含まれると感じられますが、この真実性をどのように扱うかが、映像制作において「伝わる」映像を作る重要なポイントとなります。本記事では、情報リテラシーの観点から、そのポイントについて考えていきます。

現代の情報社会において、映像コンテンツは強い影響力を持っています。特に、映像には視覚的な「真実性」が含まれるため、受け手に強い説得力をもたらします。しかし、その真実性をどのように扱うかが、効果的な「伝わる」映像を作る鍵となります。今回は、映像と情報リテラシーについて考えてみたいと思います。

映像の説得力とは何か

実写映像には、たとえ作り込まれたものであっても、そこに映っている人やモノが「存在している」というリアルな説得力があります。これが映像の強みであり、イラストやアニメーションと比較したときの大きな違いです。とはいえ、イラストやアニメーションでも、写実的な描写や動きを加えることで説得力を持たせることができます。つまり、映像コンテンツを制作する際には、どこに説得力を持たせるのかを意識することが重要なのです。

映像における「情報」もまた、説得力を左右する要素の一つです。ここでいう情報とは、映像そのものに映し出される視覚的な情報に加え、テロップやナレーション、さらには視聴者の想像領域に委ねる「行間の情報」も含まれます。映像を見たときに視聴者が自然に抱く想像や印象、それもまた情報の一部として機能するのです。

NHKでの番組制作経験から学んだこと

例えば、富野由悠季監督の『映像の原則』では、映像の持つ心理的な影響力についても述べられています。視覚的な要素がどのように受け手の感情や理解を誘導するかを考えながら映像を作ることが、伝わるコンテンツ制作の重要なポイントとなるのです。

https://www.kinejun.com/article/view/43510#google_vignette

私自身、NHKでドキュメンタリーやニュース番組内のコーナーVTR制作に携わってきました。その中で特に重要だと感じたのが「情報の検証」です。

  • 誰がどこで発している情報なのか
  • その根拠は何か
  • 断定できるのか、それとも推測として表現すべきなのか
  • 情報に対して公平かつ真摯であるべきこと

例えば、ある統計データを映像で紹介する場合、公表されたデータをただ引用するのではなく、行政機関の担当者に直接連絡を取り、どのような表現が適切かを確認する作業が求められます。事実確認を徹底することで、視聴者に誤解を与えない正確な情報提供が可能になります。

こうした調査を踏まえ、最終的にコンテンツ内で情報をどのように扱うかを決定します。

  • 断定的に表現するのか
  • 「~と言われている」と推測として伝えるのか
  • 情報の不確実性が高い場合は、そもそも取り上げないのか

これらの判断は、映像制作において極めて重要なプロセスです。

情報リテラシーの重要性とコンテンツ制作への応用

情報リテラシーとは、情報を正しく理解し、活用する力のことを指します。特に、インターネット上では無数の情報が氾濫しており、その中から信頼できる情報を選び取ることが求められます。

例えば、「ある果物の生産量が日本一」と表記されていた場合、その情報の出どころによって信頼性が異なります。

  1. 生産者個人のブログでの発言
  2. 農林水産省の統計に基づいた公的発表
  3. 公的機関のデータをもとに新聞やテレビが報道したニュース情報

同じ内容であっても、情報の発信源によって受け取られ方が変わるため、制作者側は情報の裏付けをしっかりとる必要があります。また、情報の扱い方によっては、対象の価値を高めることもあれば、逆に傷つけてしまうリスクもあるため、慎重な取り扱いが求められます。

情報発信を支援する弊社の取り組み

弊社では、映像コンテンツや情報発信の制作に関するアドバイザー業務を行っています。具体的には、

  • 映像コンテンツの企画・構成の相談
  • 撮影・編集における情報リテラシーのアドバイス
  • 検証方法の指導
  • 情報の適切な表現についての助言
  • 著作権や倫理的観点からのアドバイス

といった形で、情報発信に関わる方々をサポートしています。

ただし、最終的な情報発信の責任はご依頼者様にあります。そのため、弊社では、必要に応じて情報の検証をお手伝いすることはできますが、発信内容の決定や責任の所在についてはクライアント様にご判断いただく形となります。

まとめ

映像は、そのリアルな説得力を活かすことで、情報を効果的に伝える強力なツールとなります。しかし、その説得力をどこに持たせるのか、また、どのように情報を検証し、適切に表現するかは、制作側の責任として非常に重要です。

情報リテラシーを意識した映像制作を行うことで、視聴者に対して誤解のない、信頼性の高いコンテンツを提供することが可能になります。弊社では、そのためのサポートも行っておりますので、情報発信の際に不安や疑問がある場合は、お気軽にご相談ください。