動画の「届け方」を考える
―はじめての企業映像づくり、一緒に考えてみませんか?(7)
映像をつくったあと、「さて、どうしようか」と手が止まる。
これは多くの企業が陥る「制作後の落とし穴」です。
せっかく想いを込めてつくった動画なのに、
YouTubeにアップしたまま誰にも知られず、再生数は10回…。
SNSに載せたけど、反応がゼロ…。
「つくっただけで終わる映像」ほど、もったいないものはありません。
今回は、映像を「つくったあと、どう活用するか」。
つまり、“動画を届ける”ことについて、一緒に考えていきましょう。
■ 映像制作のゴールは「再生されたその先」にある
まず大前提として、動画制作の目的は「動画を完成させること」ではありません。
それは、**目的を果たすための“手段”**です。
たとえば:
- 商品の魅力を知ってもらい、購入や問い合わせにつなげたい
- 会社の雰囲気を伝え、採用に役立てたい
- ブランディングの一環として、信頼感を醸成したい
映像が再生され、見られ、見た人の心が動いてこそ、その価値が生まれる。
つまり、「動画をどう届けるか」までが、映像制作の一部なのです。
■ 「届け方」まで考えてから企画すると、動画は生きる
映像をつくるとき、私はいつもお客様にこう尋ねます。
「この動画は、誰に・どこで・どうやって見てもらいたいですか?」
この問いに明確な答えがある場合、
構成や尺(長さ)、音楽のテンポ、字幕の有無なども自然と決まってきます。
たとえば:
- Webサイトのトップページに埋め込む動画なら、30秒〜1分程度で無音でも理解できる構成に
- 営業時に見せる動画なら、BtoB向けに少し丁寧なトーンで2〜3分の説明入りに
- Instagramで展開する動画なら、冒頭の3秒で視聴者の関心を引く見せ方に
「完成したあとに用途を考える」のではなく、最初から“届け先”までを想定することが重要です。
■ どこでどう届ける? 活用チャネルのアイデア
それでは実際に、動画の「届け先」として考えられるチャネルをいくつか紹介します。
【1】自社ホームページ(特にトップページや採用ページ)
- 視覚的な第一印象が伝えやすく、無音でも伝わる動画が効果的
- スマホ対応(縦型・短尺)も意識した編集がおすすめ
【2】SNS(Instagram、Facebook、X(旧Twitter)、TikTok など)
- 30秒前後が基本、冒頭3秒で「引き込む演出」がカギ
- 説明よりも「共感・雰囲気重視」で
- リールやストーリーズなど短命な形式も活用
【3】YouTubeチャンネル
- 長めの尺もOK、検索されるようなタイトル・説明文の設計が重要
- シリーズ化・サムネイルの統一など、ブランディングに効果あり
- 「動画で伝えるブログ」としての使い方も
【4】営業ツール・プレゼン資料内
- 商談の最初に再生することで、会社や商品の魅力を短時間で伝達
- 音ありOK・現場撮影を活かしたリアルな動画が有効
【5】メール署名・メールマガジンに動画リンクを設置
- 意外と見られる導線。署名に「〇〇についての紹介動画はこちら」など
【6】リアルイベント・展示会でのループ再生
- 字幕+BGMで“無音でも雰囲気が伝わる”設計にする
- 専用の短尺バージョンを用意すると好印象
■ 動画の「使い回し」でコスパを高める
ひとつの動画を、目的に合わせて編集し直すことで複数展開する。
これは、私がよくご提案している方法です。
たとえば、スタンダードな5分の会社紹介映像があったとして:
| 用途 | 内容 | 長さ |
| 採用SNS用 | 若手社員インタビューのみを切り出し、字幕つけて | 30秒〜1分 |
| Webトップ用 | 冒頭1分をサイレント仕様にしてループ対応 | 約1分 |
| イベント用 | 全編再生+ロゴと音楽を強調して編集 | 5分 |
| メール署名用 | 会社全体の特徴をまとめた短縮版 | 1分30秒 |
同じ素材を活かしながら、届け先ごとに「調理し直す」ことで、制作コストを最大限活かすことができます。
■ 「届いたあとの反応」を分析・改善することも大切
動画を届けたあと、そのままにせず、**「どれだけ見られたか」「どんな反応があったか」**を把握することも大事です。
- YouTubeのアナリティクスで、視聴維持率や離脱ポイントをチェック
- SNSでのコメント・いいね・シェア数を確認
- 採用なら、「応募者が動画を見てくれたか」ヒアリングする
これらの情報をもとに、次の施策へつなげていくことで、動画制作は**“終わらない資産”**になります。
まとめ
- 映像は「届けて、初めて意味がある」
- 使うチャネル(Web/SNS/営業など)を最初から想定する
- 素材を複数用途に“使い回す”ことでコスパを高める
- 効果測定と改善を続ければ、動画は資産になる
次回予告
次回は「小さな会社の“らしさ”が伝わる映像とは?」と題して、
洗練されすぎず、でも雑ではない。
“小さな会社だからこそ出せる味”をどう映像に活かすか?
ブランド構築や信頼獲得につながる“リアルさの活かし方”を考えていきます。
