一人ではできないからこそ、つくれる映像がある

―はじめての企業映像づくり、一緒に考えてみませんか?(4)


私は普段、ひとりで映像制作会社を経営しています。

とはいえ、実際に映像をつくるときは「完全にひとりで仕上げる」ことはほとんどありません。

カメラマン、音声、ナレーター、編集者、デザイナー、ライター、ウェブ制作者……

それぞれの得意なプロにお願いしながら、「この作品に必要なチーム」を、その都度組んで制作しています。

映像は「総合芸術」とも呼ばれるように、さまざまなスキルと視点を必要とする表現手法です。

だからこそ、私のようにディレクターという立場の人間が、“全体を見ながら連携を組む”ことがとても大切だと感じています。


■ 一人で完璧にやろうとすると、かえってもったいない

私はこれまで、撮影も編集もナレーション原稿も、すべて自分で手がけてきた時期があります。

もちろん、そうすればコストも抑えられ、動きも早くなる。

でもあるとき、ふと気づいたのです。

「全部自分でやったからといって、良い映像になるとは限らないな」と。

たとえばカメラ。

私は一応撮れますが、光の使い方、画角、空気感の出し方など、やはり職人肌のカメラマンとは格段の差があります。

ナレーションもそう。

自分で読めば早いけれど、声のプロが読んだときの「伝わり方の深さ」は、やはり段違いです。

だから私は、「これは人に任せた方がいい」と判断したものは、潔くプロにお願いしています。

その方が、お客様のためになるからです。


■ ディレクターの仕事は、「誰と、どんなふうに組むか」を決めること

映像制作の現場で、ディレクターが担う役割は実に多岐にわたります。

  • お客様の思いや目的を引き出す
  • 構成や演出の方向性を決める
  • 必要な撮影・編集技術を見極めて、人をアサインする
  • 撮影現場では流れを管理し、意図通りの素材が撮れるよう導く
  • 編集段階で、映像と言葉と音をひとつにまとめる

つまり、「全体の地図を描き、航海を導く船長」のような存在です。

だからこそ、私は「ひとりで全部やれること」に固執しません。

それよりも、お客様の伝えたいことに最適なチームを組み、その力を最大限に活かすことを優先します。


■ 信頼できる専門家と組めることが、映像の品質を決める

私が連携している方々は、それぞれが現場で活躍している信頼できるプロたちです。

具体的には——

  • カメラマン:映像に「空気」を写し取る職人。人の表情の一瞬を逃さない
  • 編集者:構成意図を読み取り、リズムと感情を調整していく編集の魔術師
  • ナレーター:言葉の体温を操る声の専門家
  • デザイナー/Web制作者:映像の世界観をWebや紙面に拡張してくれる存在
  • 中小企業診断士/広報支援専門家:情報の整理やコンセプト策定をサポートしてくれるパートナー

ときには税理士やライターなど、業種をまたいだ連携をすることもあります。

私が構成や演出に集中できるのは、こうした専門家たちと「信頼で組めている」からこそです。


■ 小さなチームだからできる、「熱量のある映像づくり」

私のように、規模の大きくない制作会社に頼むことに不安を感じる方もいるかもしれません。

でも私は、小さなチームだからこそ、できることがあると考えています。

たとえば——

  • 担当者が変わらず、最初から最後まで一貫して向き合える
  • 撮影も編集も、「あなたの会社のために」という想いで、細部まで粘り強く向き合える
  • 社長やスタッフの言葉を“素材”ではなく“人の声”として扱うことができる

そういう熱量のある映像は、大きな制作会社ではなかなか生まれにくいものです。

私たちの強みは、「伝えたい人の声を、ちゃんと聞いてからカメラを回すこと」。

その想いを共有できる仲間と組んでいるからこそ、意味のある映像が生まれると信じています。


■ 「すべてを自分で抱えなくていい」ことを、お客様にも届けたい

この回で伝えたいことは、私自身だけではなく、お客様も「ひとりでやらなくていい」ということです。

「映像をつくってみたいけど、自社に広報の専門家もいないし、何をどうすれば…」

そんなときこそ、私のような“外部ディレクター”を使ってください。

  • 目的を整理し
  • 強みを言語化し
  • 必要な人材をつなぎ
  • 最後まで伴走する

映像制作とは、「表現のためのプロジェクト」です。

それをひとりで抱えるのではなく、チームで取り組めば、もっと楽に、もっと良いものが生まれる。

その一歩を、一緒に踏み出せたらうれしいです。


まとめ

  • 映像は一人で全部やる必要はない
  • ディレクターの役割は「設計と連携」
  • チームでつくる映像には、熱量と精度が宿る
  • 外部の力を借りることで、社内にない表現が可能になる

次回予告

次回は「どこまでお金をかけるべき? 映像制作とコスト感のリアル」と題して、

「予算に見合った動画」とは何か? コストを抑えながら伝わる動画をつくる方法など、

お金の話を少し現実的に語ってみたいと思います。