どこまでお金をかけるべき?

映像制作とコスト感のリアル

―はじめての企業映像づくり、一緒に考えてみませんか?(5)


「正直、映像って高いですよね……?」

こう言われることが、よくあります。

そのたびに私は、こう答えます。

「目的と内容に合っていれば、高くても安くても“高すぎる”ことはありません」

とはいえ、はじめて映像を発注する企業さんにとって、

いちばん不安なのがこの「お金」の話ではないでしょうか?

今回は、映像制作のリアルなコスト感と、

どう考えれば納得のいく“投資”になるのかについて、できるだけわかりやすくお話しします。


■ 映像の料金は「一律」ではありません

映像制作の費用には、チラシの印刷のような「枚数×単価」というような明確な相場がありません。

なぜなら、“何を、どこまで、どうやってつくるか”が案件ごとに全く違うからです。

たとえば、5分の映像をつくるとしても…

A社:

  • 社長インタビューのみ、1日撮影
  • 編集はインタビュー中心+簡単なカットつなぎ
  • 仕上げまで2週間程度

▶ 15〜25万円程度

B社:

  • 複数拠点の撮影、社員インタビュー、ナレーション収録あり
  • カメラ2台、音声スタッフも同行
  • 編集も構成案からしっかり設計し、BGM・字幕も調整
  • 修正対応・複数パターン納品あり

▶ 60〜120万円程度

つまり、「時間」だけでなく「内容」と「目的」によって費用は大きく変動するのです。


■ 見積の内訳、どうなっているの?

「結局、何にお金がかかっているのか分からない…」

という声もよく聞きます。

一般的な内訳をざっくりと分解すると、以下のようになります。

項目内容例
企画・構成費目的の整理、台本作成、構成案の策定など
撮影費撮影機材・カメラマン人件費・現地までの交通費等
編集費映像のカット編集、色調整、テロップ、BGM等
ナレーションナレーター手配、収録費、原稿作成等
ディレクション費制作全体の統括・進行管理・お客様対応など
その他ドローン撮影、特殊効果、字幕翻訳など

この中で特に見えづらいけれど重要なのが「企画・構成」や「ディレクション」の部分です。

ここがきちんとしていないと、撮影や編集で無駄が出たり、やり直しが多発したりするため、

結果的にコストも時間も増えてしまうことがあります。


■ 安くつくることはできる。でも、それが目的になっていないか?

「とにかく安くつくってください」という相談を受けることもあります。

もちろん、ご予算があることは当然のことですし、低予算でも効果的な映像はつくれます。

でも問題は、「安くすること」自体が目的になってしまうケースです。

たとえば──

  • 経営理念を伝えたいのに、撮影は1時間で済ませたい
  • 社員インタビューを入れたいけど、事前の質問案づくりには時間がかけられない
  • 編集回数は少なくしたいが、雰囲気にはこだわりたい

このようなご要望が重なると、どうしても**“伝えたいこと”より“予算の枠”に映像が引っ張られてしまう**。

結果、目的に合わない動画になってしまうこともあります。

だから私は、まずこうお聞きします。

「この映像で、誰に、何を、どんなふうに伝えたいですか?」

その答えを一緒に整理したうえで、

「この範囲ならこのご予算でできます」「ここを削れば、費用を抑えられます」とご提案しています。


■ 私が提案している「柔軟なプラン設計」

私の制作では、“定額プラン”と“目的別提案型”の両方をご用意しています。

◆ スタンダードプラン(例:30〜50万円)

  • 構成・撮影1日・編集・簡単なテロップやBGM
  • 会社紹介や採用動画などにおすすめ
  • SNSやWebにも展開しやすいように調整可

◆ ライトプラン(例:15〜25万円)

  • 撮影1〜2時間程度+簡易編集
  • 代表のメッセージ動画や、FAQ動画などに
  • 既存素材を活用した編集のみも対応

◆ カスタム提案(60万円〜)

  • 複数ロケ地・出演者あり・ナレーション収録・Web連携あり
  • 映像ブランディング・コピーライティング含む
  • 他の専門家(デザイナーやWeb制作者)との連携可能

お客様のご予算や希望に合わせて、「引き算の設計」も、「価値を足す設計」も可能です。


■ 映像制作は「経費」ではなく「投資」であるべき

最後に、私がいつも大事にしている考えがあります。

それは、映像制作は「経費」ではなく「投資」にならなければ意味がないということ。

つまり——

  • 映像を見た人が「問い合わせをしてくれる」
  • 映像を見た学生が「ここで働いてみたい」と思ってくれる
  • 映像をきっかけに、「会社の想い」に共感してもらえる

こうした反応が返ってくるように、

目的に合った「意味のある映像」こそが、結果として“費用対効果の高い動画”になるのです。

予算ありきでつくるのではなく、

「伝えたいことに、どれくらいの映像が必要か?」を、ぜひ一緒に考えてみてください。


まとめ

  • 映像の費用は「内容」によって大きく変わる
  • 安さだけを求めると、伝わる映像にならないことも
  • 費用は“目的”から逆算して考えるのがコツ
  • 映像は「投資」として回収できる設計が大切

次回予告

次回は「“うまい動画”より“伝わる動画”を目指す」と題して、

技術や演出よりも大切な、“見る人の心を動かす動画”とはどんなものか?

企業が陥りがちな「見た目重視の罠」と、本当に伝わるための工夫についてお話ししていきます。