「映像ディレクターが語る、知られざる映像制作の裏側」    ~ゲストハウスはがくれ編~


はじめに:映像制作の「見えない部分」とは?

映像制作において、私たちが最終的に目にする作品は、あたかも自然に流れるように構成されています。しかし、その背後にはディレクターや制作チームの緻密な計画、発想力、そして技術が隠れています。単なる映像ではなく、視聴者の心に残る印象深い作品を創り出すためには、どのようなステップが必要か。ここでは、弊社が手掛けた佐賀のゲストハウス「はがくれ」のプロモーションビデオ制作を例に、その裏側のプロセスと工夫をご紹介します。


ゲストハウス葉隠れ 日本語Ver

プロモーションビデオ制作の目的:ゲストハウス「はがくれ」の魅力を最大限に伝える

はがくれのプロモーションビデオ制作の目的は、訪問者にとってのゲストハウスの「魅力」と「特徴」を、映像を通じてリアルに感じてもらうことでした。「はがくれ」が持つ特有の空気感、佐賀の地域性と調和した空間の雰囲気、さらには宿泊者が感じるであろう温かさや安らぎをどう映像に表現するかが大きな課題です。

プロモーションビデオの制作では、訪問客に「実際に宿泊しているかのような体験」を提供できるように構成しました。そのため、映像を見た瞬間に魅了されるような空気感や臨場感を持たせるため、細部にわたる映像の作り込みが求められました。


企画・リサーチ:映像に込めるメッセージを明確にする

映像制作の初期段階では、まず「どのようなメッセージを伝えたいのか」を明確にすることが重要です。ゲストハウスはがくれの場合、単なる宿泊施設以上に、「佐賀の魅力を知りたい人」「温かい交流を求める人」が集う場所としてのイメージを強調しました。この方向性を定めるため、実際に施設を訪れるお客様やスタッフの方々から直接お話を伺いました。地元の方が大切にする価値観や地域の特色、はがくれの歴史、訪れる人々とのエピソードなど、様々な背景をリサーチし、そこから「温かみ」と「地域性」を核とした映像のテーマを形作りました。

特に、単なる宿泊場所としてではなく「人と地域が交わる場所」として映像に描くことを目指しました。これにより、はがくれのPVを見た人が、「ただ泊まるだけでなく、地域と繋がり、交流することの楽しさ」を感じられる構成を意識しました。


シナリオ・コンテ作り:映像をどう構成するか

次に、映像の流れを決めるためのシナリオやコンテの制作に移ります。ゲストハウスの魅力を表現するためには、あらかじめ「ストーリーの流れ」を作り込む必要があります。今回は、「訪れる人々の期待と、その期待を超える温かい出会い」というストーリーラインを軸に据えました。

シナリオ段階で決めた構成は、以下の流れに沿ったものです。

  1. 旅の始まり:訪れる人の期待感 <冒頭~01:29>
    • オープニングは佐賀市の夜明けから始まります。そしてシーンはゲストが宿に到着する所から導入するように設計しました。佐賀、そして「ゲストハウスはがくれ」との最初の出会いを初見となる視聴者にも疑似体験してもらう為です。この段階で、少し遠くから宿を見上げる構図を用いることで、「新しい体験が始まる」期待感を演出しました。

2:宿の紹介:地域の空気感と温かみ<01:29~02:30>

  • ゲストハウス内の特徴的な空間やインテリア、スタッフが準備する姿などを映し出します。インテリアは極力自然光を使い、明るく優しい雰囲気を感じさせる工夫をしました。部屋の中でくつろぐ様子や、他の様々な種類の部屋の様子も描写し、ゲストハウスの「佐賀」感をさりげなく演出しました。

    3:交流の場面:ゲスト同士の触れ合い<02:30~02:49>

    • ゲスト同士が親しく会話をしているシーンや、訪れたゲストの交流に対しての率直な感想にインタビューなどを挿入。ゲストが滞在中に感じている魅力が、映像を通して視聴者にも伝わるようにしました。

      4:ゲストハウスはがくれを支えるスタッフの取り組みと思い<02:49~04:33>

      ゲストの感想にも聞こえた「清潔感」を担保する為に日々、管理にこだわりをもって取り組むスタッフの仕事ぶりと、モチベーションのインタビューをシーンとして構成しました。そうすることで、ゲストを迎えるスタッフの思い=「ゲストハウス葉隠れとしてのミッション」がしっかり伝わるように心がけました。

      5:終わりに:再訪を期待させる演出<04:34~05:42>

      • ラストシーンではスタッフ自身がゲストハウス葉隠れを単なる宿ではなく、「交流の場」としてゲストに愛されるように心がけている、という思いとビジョンをインタビューしました。合わせて、これまで訪れた数々のゲストとスタッフが共に映った写真などを重ねることで、人々の交流の広がりを演出し、余韻を残しつつ終わることで、視聴者に「行ってみたい」という期待感を抱いてもらえるようなシーン作りを心掛けました。

        撮影時の工夫:リアリティと雰囲気を演出するテクニック

        撮影時には、シナリオに沿って進める一方で、現場の雰囲気を最大限に活かすことも重要です。ゲストハウスの雰囲気を自然に感じられるよう、過度な演出や加工は避け、なるべく「ありのままの美しさ」を引き出すよう心がけました。具体的には、次のような工夫を行いました。

        1:自然光の利用

        • ゲストハウスの温かみを表現するため、日中の自然光を活かして撮影しました。特にスタッフが掃除に取り組む朝の日の光や、ゲストが訪れる午後~夕方の柔らかい光を生かすことで、よりリアルな「ゲストハウス葉隠れ」の日常空間の空気感を演出。自然な明るさと色合いが、はがくれの温かい雰囲気を伝えます。

          2:音の工夫

          • 宿の静けさや、地域のゆったりとした空気感を伝えるため、BGMには落ち着いたアコースティックな音楽を採用。また、スタッフやゲストの会話や笑い声を軽く残すことで、視聴者が実際にその場にいるかのような臨場感を与えました。

            3:動きのある撮影

            • カメラをあまり固定しすぎず、ドリーやパンなどといったカメラワークで動きをつけることで、映像に柔らかな揺れを加えました。この技法は、映像に動きを持たせ、視聴者の視線を自然に誘導する効果もあります。

              編集と仕上げ:映像を「魅力的」に見せるための最終調整

              映像編集の段階では、素材を一つ一つ確認しながら、ナレーションやBGMのバランスを調整し、全体の流れを滑らかに整えました。撮影時に得た「自然な映像」を活かすため、過剰な色補正や効果音は避け、映像の持つ空気感やリアリティを重視しました。特に、ゲストが訪れて感じる「温かさ」「親しみ」をどう伝えるかを考え、余分なカットを削りつつも、要所で印象に残るシーンを挿入しました。

              ゲストハウス葉隠れ 英語Ver


              まとめ:映像ディレクターの視点で見る「はがくれ」のPVの価値

              「はがくれ」のプロモーションビデオ制作を通して、単に宿の紹介をするだけでなく、佐賀の地域性、そして宿泊者とのつながりを表現することができました。映像制作は一見、技術的な作業に見えるかもしれませんが、ディレクターとして大切にしているのは、現場の「空気感」「人の気持ち」を感じ取り、それをいかに映像で表現するかです。このPVを通じて、視聴者が「また行ってみたい」「次は佐賀で宿泊してみたい」と思っていただければ、映像制作の成功といえるでしょう。


              このように、ゲストハウス「はがくれ」のPV制作は、単なる宿泊施設の宣伝ではなく、佐賀の地域と訪れる人々(国内外)をつなぐ「架け橋」としての役割を果たすことを目指しました。

              結果、PVはゲストハウスはがくれの㏋で活用していただき、ゲスト集客の一翼となっています。

              おわりに

              私は会社や事業、商品、サービスのPVにおいて重要なのは、その「特長を捉え、いかにその特長を伝えるにふさわしい撮影、編集によって価値を伝えるか」だと考えています。

              今後もクライアントの皆様の魅力にふさわしい「伝え方」ができるコンテンツ作りに励んでいきたいと考えています。

              これからもよろしくお願いします。